2023年度理事長
堂尻 智嗣

一般社団法人氷見青年会議所 2023年度 理事長所信

創立宣言文
今、世界の五極時代に対し我が日本はその一翼に参ずる現在、20世紀後半に果たすべき青年の今日の課題は新しく展くべき日本海時代そして列島改造の流れの中に、先人の築き上げた地域社会の歴史的文化と共に、清く美しく発展すべく、新しき氷見市の理想像を求め、青年経済人として自己修練と英知勇気を集結し、ここに氷見青年会議所を設立する。                    
                                                          昭和47年10月28日

【はじめに】
 1972年に明るい豊かな社会を目指し創立された氷見青年会議所は、昨年で50周年という大きな節目の年を迎えました。これも氷見のことを想い、地域課題の解決に向け様々な運動、活動を行ってきた先輩諸兄がおられたからであり、敬意を表し、心より感謝します。脈々と受け継がれてきた「氷見を良くしたい」という想いを次の半世紀に繋げていくためにも、本年度はその第一歩目の年であり、会員一丸となって邁進して行きましょう。
 では、今を生きる私たちが脈々と受け継がれてきた「氷見を良くしたい」という想いを次世代に繋げていくには、どうしたら良いのでしょうか。世界を見渡せば様々な問題が起こっていることから、人々の価値観は大きく変わり、社会が急速に変化しています。時代とともに地域課題も変化し様々な課題がありますが、私たちが地域のためにできることの大きな課題として、この氷見市を持続可能な地域へと導いていかなければなりません。今まで以上に地域から必要とされる団体を目指し、信念と情熱を強く持って、地域を少しでも良くするために、夢や希望に満ちた挑戦に取り組んでいきましょう。

【幸せに住み暮らせる地域】
 この氷見市が消滅可能性都市とされてから、多くの年月が流れてきた中で、様々な取り組みを行い、消滅可能性都市からの脱却を模索してきましたが、今なお、この問題の解決には至っておらず、特に子どもを生み育てる若い世代の人口減少が大きな課題としてあることはご承知の通りです。しかし決して悲観的なことばかりではなく、氷見市内においては、行政や各種団体により様々な取り組みが行われていることや、「この地域を良くしたい」という想いを持った方の活動など、市民の中からも自分ごとと捉え、危機感を持って様々な地域活動が行われておりますし、私たち氷見青年会議所としてもこの課題について多くの活動、運動、研修、を行ってまいりました。近年では新型コロナウイルスやウクライナの戦争問題などから、私たちの価値観は大きく変わり、日常のあり方が問い直されるなかで、きっと多くの方が「自分の幸せはなんだろうか」「どんな生活が幸せなのだろうか」と考えたことでしょう。当たり前の日常が、当たり前でなくなった今、個人の価値観や生活様式を改めて考える良い機会となり、生きていく上で、今よりも幸せで充実した日々を過ごしたいという思いは、多くの方が感じているはずです。
 では、氷見市に住み暮らす私たちが、この地域で幸せに暮らしていくにはどうしたら良いのでしょう。氷見には、都会では味わうことのできない、豊かな海や山、美味しい食、そして家族や地域の繋がりといったコミュニティが残っており、幸せに住み暮らす土壌が揃っています。氷見に住む私たちにとっては当たり前すぎて忘れてしまいがちですが、日本中の都市や地域を見ても、なかなか存在しない恵まれた環境で、大きく胸を張って自慢できる地域です。そんな恵まれた環境で住み暮らす私たちですが、つい普段の生活の中では自分のことで精一杯になり、他人を思いやる気持ちが薄れ、自分中心的に物事を考えてしまうことで、人間関係が希薄になってきているのではないでしょうか。自分にとって良いことも、悪いことも、捉え方ひとつで物事は大きく変化していきますが、どの様な心があれば幸せに生きていけるのか、自分自身と向き合い、当たり前の日常に感謝する心を持つことが必要です。
幸せの感じ方は、人それぞれ異なると思いますが、誰しもが幸せに生きたいと思う中で、日々の生活の中で些細なことに幸せを感じることや、今ある当たり前が、本当は当たり前でないと気づき、自分に起こる様々なことに対して感謝の気持ちを持ち、どんなことに対しても前向きな気持ちを持てることは大切なことです。この地域に住み暮らす私たちが、この氷見でしか味わえない自分なりの幸せを見出し、いきいきと活躍する人財が増えれば、その幸せが連鎖し次世代に繋がっていくのではないでしょうか。

【会員の意識の向上】
 全国的にもそうですが、この氷見青年会議所でも会員数の減少に歯止めがかからず、業務の負担や、実働の多さ、会員一人ひとりへの負担は大きくなってきており、このままで私たちの本質である地域課題の解決に大きな影響が出てくることが危惧されます。では単純に会員を増やすことだけに力を注げば良いのでしょうか。青年会議所は、困っている誰かのために、利他の精神を持って社会を変化させ、その中で様々な修練を乗り越えることで、成長と発展の機会が提供されています。先輩諸兄がこれまで紡いでこられた、この氷見青年会議所はどんな団体なのか、私たち会員自身が今まで以上に見識を深め、地域の若者として何をするべきなのか、自分自身の意識を向上させ、メンバー全員が強い信念を持って運動、活動を展開していく必要があります。
 少ない会員数でもより大きなインパクトを地域に残していくためには、私たち会員一人ひとりが青年会議所で活動する意義を強く感じることで、今まで以上に意識が向上し、意識を変えた私たちの行動はきっと変わっていきます。そして信念を持って行動することは多くの方に共感を呼び、この「氷見を良くしたい」と想う人財に今まで以上に出会う機会があるのではないでしょうか。そうした仲間を数多く巻き込んでいくことで、会員拡大にも繋がり、今後のメンバーの環境は大きく変わっていくはずです。常に自己成長の機会が与えられている私たちですが、苦難や困難をどう捉えるか、乗り越えた先に成長があり、成長した私たちメンバーには、それぞれの幸せが待っています。

【次世代の人財育成】
 これからの地域を担う子どもたちへの人財育成は氷見市にとって必要不可欠であり、各学校においても、先生方のご尽力のおかげで、様々な特色ある授業や取り組みが行われております。子どもたちの教育は、学校だけでなく家庭、地域社会が、それぞれ適切な役割分担を果たしつつ、相互に連携して行われることが子どもたちにとってより良い環境です。変化の激しい時代において、今まで以上に自分で将来を切り拓いていくことが求められ、自ら考えて行動する力を育む教育や機会を数多く取り入れることが大切で、自ら充実した将来を歩んでいくには、自分がどのような人生を送りたいのかを考える機会が重要です。
 これからの人生に向き合い、主体性が高まった子どもたちは、自分の内側に秘めた可能性を感じることで苦難や困難に直面したときでも、自分の将来を切り開いていくことができ、それぞれの人生の中に夢中になれることを見つけ、夢や目標に向かってチャレンジできる人財が溢れる地域は幸せを感じて生きていくことに繋がります。

【終わりに】
 青年会議所は戦後の焼け野原の中、自分たちがどうなるかも分からない時代に「新日本の再建は我々青年の仕事である」と声をあげ立ち上がり、利他の精神を持って様々な社会課題に真摯に取り組んでこられました。氷見青年会議所においては50年前に、先輩諸兄が声を上げた頃に比べると、私たちは随分恵まれた時代を生きているのではないでしょうか。時代は変わっていますが、これまで紡いできた想いを必ず次世代へと繋げていかなければいけません。これまで私に叱咤激励をくださり、進むべき道へ導いてくださった先輩諸兄、そして現役メンバーの皆さまには心より感謝申し上げます。青年会議所には沢山の修練の場があると思いますが、その修練のおかげで自分の意識が少しずつ変化したことで、自分の行動も変わり、以前では出会うことのできなかったであろう、志高き多くの仲間との出会いから、大きく変わった自分を取り巻く環境があります。「世のため、人のために」見返りを求めず、困っている誰かのために本気で行動できる団体であるからこそ、そこに自己成長があり、周りから信頼をいただけるのではないでしょうか。当たり前の日常など無い。当たり前の日常に感謝し、自分に訪れる全てのことに「有り難し」という心で邁進してまいります。

基本理念

・夢や希望が溢れ胸躍る地域の創造

基本方針

・地域の幸福感の向上

・会員の意識の向上

・次世代の人材育成